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管轄外の相談も時々お答えします(*^^)v
- 2025/6/27
- 10:00

意外かもしれませんが、「血液検査の結果、お酒を飲まないのに肝機能の数値が良くない!」という相談は結講多いので、
今日は肝機能悪化の原因と対策についてお伝えしますよ(^^ゞ
ここまで来ると栄養士の管轄外のお話ではありますがwww
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アルコール性肝疾患は肝機能障害の主要な原因として広く認識されていますが、飲酒習慣がない、あるいは長期にわたり禁酒しているにもかかわらず、血液検査で肝機能を示す数値(AST、ALT、γ-GTPなど)の異常が認められるケースは少なくありません。
これらの非アルコール性肝機能障害は、アルコール摂取以外の多岐にわたる要因によって引き起こされているのです。
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【非アルコール性肝機能障害の主要な原因】
アルコール非摂取者における肝機能障害の背景には、主に以下の要因が挙げられます。
①非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)
これは、アルコールをほとんど飲まない、 または全く飲まない人の肝臓に脂肪が過剰に蓄積する疾患の総称です。
NAFLDはさらに、単に脂肪が蓄積するに留まる 「非アルコール性脂肪肝 (NAFL)※NAFLDの病気を意味するDiseaseのDを除いたNAFL」 と、脂肪蓄積に加えて肝細胞の炎症や線維化を伴う「非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH)」に分類されます。
NASHは、肝硬変や肝癌へと進行する可能性があるため、特に注意が必要です。
NAFLD/NASHの主な危険因子には、肥満、2型糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症、高トリグリセリド血症)、高血圧などの生活習慣病が含まれます。
インスリン抵抗性も深く関与していると考えられています。
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②薬剤性肝障害
処方薬、市販薬、ハーブサプリメント、健康食品など、あらゆる種類の薬剤が肝臓に負担をかけ、肝機能障害を引き起こす可能性があります。
特に、複数の薬剤を併用している場合や、個人の体質によっては、通常の用量でも肝臓に影響が出ることがあります。
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③ウイルス性肝炎
B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)への持続感染は、自覚症状がないまま慢性肝炎から肝硬変、肝癌へと進行する主要な原因です。
過去の輸血や医療行為、あるいは感染経路が不明なケースでも感染している可能性があるため、検査が不可欠です。
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④自己免疫性肝炎
免疫システムの異常により、自分の免疫細胞が肝細胞を攻撃してしまう疾患です。
女性に多く見られる傾向があり、慢性的な肝機能異常の原因となります。
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⑤遺伝性、代謝性疾患
稀ではありますが、遺伝的な要因によって特定の物質が肝臓に過剰に蓄積し、肝機能障害を引き起こす病気も存在します。
例としては、体内に鉄が過剰に蓄積するヘモクロマトーシスや、銅が過剰に蓄積する Wilson病などが挙げられます。
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⑥過去の肝臓へのダメージの残存
長期間にわたるアルコール摂取などによる過去の重度の肝臓へのダメージが、禁酒後も完全に回復しきらず、肝臓の線維化や構造的変化として残存している可能性も考慮されます。
これにより、肝機能の数値が完全には正常化しない場合があります。
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【解決策と提言】
アルコール非摂取者における肝機能異常の解決策は、その根本原因を特定し、それに応じた適切なアプローチをとることに尽きます。
最も重要なのは、消化器内科や肝臓専門医を受診することです(*^^*)
血液検査の結果だけでなく、腹部超音波検査、CT/MRI検査、エラストグラフィ(肝臓の硬さを測る検査)、ウイルス性肝炎マーカー、自己抗体検査など、多角的な検査を通じて正確な診断を受ける必要があります。
必要に応じて、肝生検が実施されることもあります。
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そして、生活習慣の改善!!
NAFLD/NASHが原因である場合、体重管理が最も効果的な対策となります。
バランスの取れた食事(高脂肪食、加工食品、過剰な糖質は制限する)と、定期的な運動(有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせ)により、肝臓の脂肪蓄積を減らすことが重要なのです。
糖尿病や脂質異常症がある場合は、それらの疾患の管理も徹底する必要があります。
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さらに、薬剤の見直し!!
現在服用している薬やサプリメントがある場合、医師や薬剤師と相談し、肝臓への影響がないか確認し、必要であれば代替薬への変更や休薬を検討しましょう。
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治療についても考えましょう!!
肝炎が原因であれば、抗ウイルス薬による治療を行います。
近年の治療薬は非常に効果が高く、多くの患者でウイルスの排除や病状の改善が期待できます。
自己免疫性肝炎や遺伝性代謝性疾患と診断された場合は、それぞれの病気に特化した治療(免疫抑制剤の使用、特定の薬剤の服用、食事療法など)が必要となります。
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【結論】
アルコールを摂取していないにもかかわらず肝機能の数値が悪い場合、その背後には NAFLD/NASHをはじめとする複数の原因が潜んでいます(゚A゚;)
表面的な数値の異常だけでなく、その根本原因を特定し、個々の病態に合わせた適切な医療的介入と生活習慣の改善を行うことが、肝機能の回復と肝疾患の進行予防に不可欠であると言えます!
万が一、このブログの読者さまの中にも、大酒飲みじゃないのに肝機能の数値が良くないという方がおられましたら、不安を抱え込まず、速やかに専門医の診察を受けることを強く推奨します(*>_<)ノ
コンビニやドラッグストアなどで簡単に入手できるビタミン剤や栄養剤を日常的に飲み続けている方もおられるかもしれませんね。
身体に良さそうな商品が実は肝臓に負担を与えてしまっている場合もあるので、
医療機関の問診票には、そのようなサプリメントや市販薬の使用歴も細かく記入してくださいね〜(*^▽^*)