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“体に悪い=毒”ではない(゚Д゚)ノ
- 2025/6/23
- 10:00

3回連続で、SF要素のあるお話をしたので、今日は久しぶりに栄養士らしいお話をしますよ(^^ゞ
「ケーキやクッキーは身体に悪いからなるべく避けた方が良いんでしょ?」とか、「パンにバターではなくマーガリン塗ってたら早死にするの?」なんて聞かれる事もあるので、
漠然とした不安を取り除いていただく為にも、今日はケーキやクッキーやマーガリンに含まれている“トランス脂肪酸”について簡潔に説明しま〜す♪
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【トランス脂肪酸に関する多角的考察:科学的理解と現代社会における健全な向き合い方】
誤解の渦中にあるトランス脂肪酸(・・;)
近年、食と健康に関する情報が氾濫する中で、“トランス脂肪酸”はその摂取が避けられるべき悪しき存在として、しばしば過度に強調され、時に根拠のない誤解を招いています。
工業的に生成されるトランス脂肪酸の過剰摂取が健康リスク、特に心血管疾患のリスクを高める可能性が指摘されていることは事実です。
しかし、この事実が独り歩きし、あたかも微量でも摂取すれば直ちに健康を損なう“毒”であるかのような認識が広まっている現状は、健全な食生活や人間関係において、不必要な不安や摩擦を生み出しています。
本稿では、トランス脂肪酸の科学的側面を再確認し、現代社会においてどのように向き合うべきかについて考察しますよ♪
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①トランス脂肪酸は“毒”ではない:適切な摂取量の問題!!
トランス脂肪酸は、植物油を硬化させるための水素添加プロセスによって生成されるものの他、牛肉や乳製品などの反芻動物の体内でも自然に生成され、食品中に微量ながらも存在しています。
問題視されるのは、 主に工業的に生成され、加工食品に多く含まれるものであり、その過剰かつ継続的な摂取が健康リスクに関連するとされる点です。
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全ての脂肪酸がそうであるように、トランス脂肪酸もまたエネルギー源として体内で代謝されるのです。
国際的な主要保健機関や食品安全機関は、その摂取量を「可能な限り少なくする」ことや、総エネルギー摂取量の1%未満に抑えることを推奨しているが、これは摂取してはならないというゼロ目標を意味するものではありません。
微量な摂取が直ちに健康被害を引き起こすという科学的根拠は存在せず、むしろ全体的な食生活パターンの中でその摂取量を管理することの重要性が強調されています。
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②“ゼロ”を目指すことの非現実性と心身への影響!!
完全にトランス脂肪酸を排除しようと試みることは、現代の食生活においては極めて非現実的です。
自然界にも存在する上、多くの加工食品 (菓子パン、クッキー、ケーキ、揚げ物、レトルト食品など)には製造過程で微量のトランス脂肪酸が含まれる可能性があります。
このような状況下で“ゼロ”を追求することは、個人の食生活の選択肢を著しく狭め、精神的なストレスや不安を増大させる結果に繋がりやすいです。
友人からの手土産や、たまの外食であたかも毒を盛られたかのような過剰な反応を示すことは、食の喜びを奪い、ひいては人間関係にまで負の影響を及ぼしかねません。
精神的な健康は身体の健康と密接に結びついており、過度な食事制限や不安は、かえって心身のバランスを損なうリスクがあることを認識すべきです。
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③バランスの取れた食生活が最も重要!!
特定の栄養素、特に“悪者”としてレッテルを貼られたものにのみ焦点を当てることは、健康的な食生活の本質を見誤らせます。
健康を維持するために最も重要なのは、特定の成分の有無に一喜一憂することではなく、食生活全体のバランスです。
例えば、飽和脂肪酸の過剰摂取、糖質の過剰摂取、食物繊維の不足、塩分の過多などは、トランス脂肪酸以上に多くの人々の健康リスクに直結している可能性があります。
野菜、果物、全粒穀物、良質なタンパク質を豊富に含む多様な食品を摂取し、加工食品や高脂肪・高糖質の食品の摂取量を適切にコントロールしましょう。
この基本的な原則こそが、持続可能で健康的な食生活の基盤となるのです。
たまに食べる菓子パンやクッキー、ケーキがもたらす心の満足感も、全体のバランスの中で許容されるべき要素なのです。
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④情報リテラシーの重要性と科学的根拠に基づく判断!!
現代社会において、インターネットやソーシャルメディアを通じて情報は瞬時に拡散されるが、その全てが科学的根拠に基づいているとは限りません。
トランス脂肪酸に関する“悪評”の多くは、科学論文の結論を過度に単純化したり、センセーショナルに表現したりすることによって生じている側面があります。
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消費者一人ひとりが、情報の真偽を見極める情報リテラシーを高めることが不可欠です。
公的機関(WHO、厚生労働省、食品安全委員会など) が発表する公式見解や、 査読付きの科学論文など、信頼できる情報源から知識を得る姿勢が求められます。
また、各国におけるトランス脂肪酸の規制動向(例えば、米国における人エトランス脂肪酸の食品への使用禁止措置など)は、過剰摂取のリスクを減らすための企業側の努力を促すものであり、個々の消費者が食品中の微量な含有量に過剰に反応することとは異なる次元の議論であることを理解すべきなのです。
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⑤社会的側面と人間関係への配慮!!
食は単なる栄養摂取の手段ではなく、文化であり、コミュニケーションの重要なツールでもあります。
手土産の交換や共食の場は、 人間関係を円滑にし、喜びを共有する大切な機会である。
食品中に含まれる微量なトランス脂肪酸に過剰に反応し、相手の好意を拒絶するような行為は、善意を台無しにし、人間関係に亀裂を生じさせる可能性も心配されます。
科学的な知識を持つことは重要ですが、それを行動に移す際には、社会的文脈や他者への配慮が不可欠です。
不必要に相手を困惑させたり、傷つけたりすることなく、自身の健康志向を穏やかに、しかし毅然と示すバランス感覚が求められます。
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【あとがき的なLunaの独り言】
トランス脂肪酸は、その過剰摂取が健康りスクを高める可能性を持つ成分であるが、 “毒”と称されるような即効性のある有害物質ではないのです(^_^;)
食の健康を考える上で、特定の成分のみを過度に忌避するのではなく、全体的な食生活のバランス、情報源の信頼性、そして何よりも心身の健康と人間関係の良好さを包括的に捉える視点が不可欠だと思います(*^^*)
過度な情報に惑わされず、科学的根拠に基づいた冷静な判断と、他者への配慮を忘れずに、豊かな食生活を送ることが、現代社会における健全な生き方であると、私は強く確信していますよ(*˘︶˘*)